天明屋尚 「風流(ふりゅう)」

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自らの作品を「ネオ日本画」と命名し、婆娑羅、傾奇者といった男伊達あふれる美意識を、ヤンキー、アウトロー文化、デコ文化に直結させた独自のコンセプトにより作品を制作している天明屋氏。

0190_1185419294これまでヒップホップ文化を日本の伝統美術様式と融合させる事により独自の美学を追求してきた氏ですが、近年はより日本的な美に注目しているようです。

「日本的」といえば質素で静かな「侘び・寂び」、「アニメ・マンガ」のポップな側面が取りざたされますが、天明屋氏が一貫して取り組んできたのは室町時代の婆娑羅や江戸時代の傾奇者といった絢爛豪華に飾り立てる美意識。メインカルチャーの影で、現代日本の美にしっかり受け継がれている感覚です。

0190_1185419150氏の作品には刺青をまとったアウトローが頻繁に登場しますが、刺青の歴史は古く縄文時代にまで遡り、身体装飾や身分の識別、宗教上の理由で施されていたそうです。

その後、江戸時代には浮世絵などの技法を取り入れ、装飾として発展を遂げ今の形になり、装飾としての刺青は当時の入墨刑とは区別され、粋をあらわす町奴(町人階級のアウトロー)たちが競って施しました。

本展タイトル「風流」は「ふりゅう」と読み、「ふうりゅう」とは意味が異なるそうです。「ふりゅう」とは人を驚かせるために華美な趣向を凝らした意匠を指し、婆娑羅や傾奇者とともに侘び・寂びとは正反対の美意識を指します。

独自の視点で新たな価値観を作り上げていく天明屋氏の作品は、日本の美のあまり語られる事のなかった側面を人々に解き放としているように感じられます。

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TEXT: Toshiji Mitsunami