上野駅から上野公園を抜けて、東京芸大を左手にしばらく歩いていくと、谷中というエリアに入ってきます。谷中は、震災や戦火を免れた古い寺町。今でも70数件の寺が立ち並ぶという谷中には、古い長屋や細い路地が昔のままの姿で残されており、広大な「谷中霊園」など多くの史跡・名所を持つ古きよき町並みが訪れる人の心をホッとさせます。
この街には、昔ながらの煎餅屋さんや和菓子屋さんと並んで、今風のカフェやギャラリーが点在していて、静かながらも若いエネルギーを感じることができます。「谷中ボッサ」はそんなお店の1つ。築100年の民家を改装した小さな喫茶店の中では音量控え目にボサノバが流れています。
店名の「ボッサ」とは、ポルトガル語で「隆起」や「らくだのこぶ」、「波」などの意味。「谷中の町で新たな潮流を生み出したい」という店主さんの願いが込められているそうです。
音楽をはじめ、コーヒーやサッカーなどブラジルのすべてが大好きだという店主さんが出すメニューは、無農薬・有機栽培のコーヒー(400~500円)、魚介とトマトをココナツミルクで煮込んだブラジル北東部の郷土料理「ムケッサ(ごはん付き・1000円)」、アマゾン原産のフルーツで鉄分やポリフェノールを多く含むというアサイーを使った「アサイーのデザートボウル(700円)」など、なるほど、ブラジルにちなんだものが多数。特に、「アサイーボウル」はシャーベット状のアサイーピュレにグラノラとバナナをトッピング、夏休みのブランチに食べたら元気が出そうな美味しさです。
店内の壁面は、ギャラリースペースとして貸し出しており、個展、グループ展など、アーティスト達の作品発表の場として活用されています。東京芸大が近くにある環境からか、アートが身近に感じられる喫茶時間です。
真夏の谷中散策の一休みに、ぜひ立ち寄りたいお店です。
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TEXT: Kawori Nakagawa




