鰻の魅力について考える。 その4 愛川

見渡す限りラーメン屋さんで埋め尽された早稲田通り。その裏通りにひっそりとお店を構える「愛川」は、知る人ぞ知る実力派の鰻屋さんです。
ホームページはありませんが、お店情報を掲載しているぐるなびに「加齢による体力の衰えの為、休日の増加と閉店時間の繰上げを御了承願います」と、きちんと発表していらっしゃる誠意溢れる店主と奥さまが夫婦で営むアットホームな雰囲気の鰻屋さん。お座敷の堀ごたつ席が2つとテーブル席が3つ程の小さなお店を訪れると、明るく朗らかなご夫婦が出迎えてくださいました。

こちらの鰻は、活きたものを背開きにして一度素焼きにし、それを蒸してから再び焼くという関東風。しかしながら、関東風にしては最後の焼きが強めで、こんがり香ばしいコゲ目がついているので、仕上がりは関西風に近い。外側パリッと、中ふんわりやわらか、という関西風と関東風のいいとこ取りの鰻。やわらかい関東風も好きだけど、香ばしい関西風も捨てがたい…、といつも頭を悩ませている私には願ってもない理想の鰻なのです。これこれ!こうゆうのが食べたかったんだぁ~!
注文した鰻重(菊・2600円)は鰻一匹分の蒲焼がご飯に乗ってます。コゲ目のついた鰻が、最初サクサクと口の中で心地よく、後でふわっと溶けて行くのが、も~最高。タレも甘すぎず辛すぎず、程良い加減で、ごはん粒の最後の一粒まで美味しく頂けました。ごちそうさまです。

付け加えておくと、一般的に、鰻重に付いてくるのは肝吸いとお新幸くらいですが、こちらでは更にほうれん草の胡麻あえとフルーツが付いていたところが、実に家庭的でやさしい感じ。鰻重って、野菜入ってないもんね。ロック歌手を夢見て上京した我が子の食生活を案ずるお母さんのような心遣いに、気持ちがほっこりしました。

一口に鰻と言っても、鰻の焼き方、タレの味、お店の雰囲気は三者三様。お客さんの好みも、十人十色です。まだまだ開拓してみたい都内の鰻屋さん。みなさんも、自分の好みや用途に合わせて、鰻屋さんを楽しんでみて下さいね。

愛川 (うなぎ / 高田馬場、西早稲田、面影橋)

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TEXT: Kawori Nakagawa